2015年07月17日

異物に関する分析結果

ライン生産する工業塗装においてゴミ不良はやっかいな問題です。
塗装の性能上はまったく問題がなくても、ゴミの付着により、苦労が水の泡となります。
ところが、このゴミ対策・・・なかなかやっかいな問題です。
発生源をつきとめることが簡単ではないからです。

大きな原因としては、工場の外から浸入する砂塵、設備から落下する金属などの細かなゴミ、塗装前の製品に付着したゴミ…
これらの対策を施した上で、残る最大のゴミ発生源は、作業者自身となります。
さて、それらの対策をぜ〜んぶやっても塗装品に残った原因不明のゴミブツ…
ここからがたいへんですね。

一つ参考になる方法がありますのでご紹介します。
当社がお客様からお問合せをいただき、原因究明のお手伝いをさせていただきました。
電子顕微鏡を用いて、物質が何であるかを分析しました。


1.一般電子顕微鏡による比較的大きな異物の観察結果


※各画像はクリックで拡大してみることができます。

(1)異物の形状と大きさ
真円に近い形状で、大きさは450μm程度です。
20150715_01.jpg

(2)元素分析結果
@分布
20150715_02.jpg
炭素と酸素が主たるもので、金属は見当たりません

A元素マップ
20150715_03.jpg
各元素のマッピング(平面分布状態)でみても、特異な偏りは見られません。

(3) 考察
以上のことから異物は、周囲と同じ成分=塗料成分である可能性が大きいと推測されます。


2.高精度電子顕微鏡によるごく小さな異物の観察・分析


こちらは民間試験施設ではなく、産総研にある高精度電子顕微鏡で観察したものです。こちらの電顕は1億円クラスです。
画像を鮮明化するために、周囲を導電性皮膜処理をして観察をしています。

(1)拡大画像
20150715_04.jpg

(2)元素マップ
20150715_05.jpg

(3)考察
●異物は、クリヤー塗装の前に付着し、クリヤー層が薄いため、一部は表面に出ている
 したがって異物は、ベースコートを塗ってからクリア塗装をする間に付着した可能性が高いです。
●付着物の組成は、塩素、ナトリウム、カリウム及びアルミニウム、ケイ素とわずかな硫黄である。

この結果から推定するのはたいへん難しいのですが、ごく小さな水の飛沫、汗や唾液の飛沫などが考えられます。



posted by COTEC(コーテック) at 14:00 | Comment(0) | 過去記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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